投資信託・ETF

私が投信工房の撤退を考えている理由

松井証券が毎月分配型投信の導入を受けて、今後の投信積み立てを再考せざるを得なくなりました。そこで今回は投信工房の撤退を考えている理由を整理したいと思います。

インデックスファンドの新規採用は望み薄

最大の理由は、低コストのインデックスファンドを導入する意欲が乏しいと思われるからです。松井証券のセミナーにおいて、私は担当者にeMAXIS Slim新興国株式の取り扱いを希望しました。担当者の方は要望があれば検討するとは言っていたのですが、そもそもeMAXIS Slim新興国株式のリリース自体を知らなかった様子だったので、あまりインデックスファンドについてはそこまで調査してはいない印象を受けました。投信ブロガーをわざわざ呼んでまでセミナーを開いたのにこれは意外でした。eMAXIS Slimって結構話題になっていましたよね。

もちろん一担当者だけで判断するのは早計です。ですが、別の担当者の方が高コストのアクティブファンドの紹介されたり、毎月分配型投信に対して好意的にとらえている発言をなさっていたものですから、やはり高い手数料収入を狙っているのでは?という疑念がぬぐえませんでした。

このとき私は「松井証券さんは手数料収入を重視しているのか」のような趣旨の質問もしたのですが、そういうわけではない、あくまで顧客重視であることは変わらないし、当社が投信工房を立ち上げた理念は変わっていないと反論されたので、とりあえずこの場はそのままお土産をもらって帰宅しました。正直そのときは投信のことよりも食事と酒とお土産でウキウキだっただけだったのですが。

当時の記事で毎月分配型投信を採用するのではないかと書いているのは以上の理由からです。

[松井証券]俺のPFセミナーに参加しました。 その2

結局私の不安は的中し、松井証券はインデックスファンドではなく毎月分配型投信を新規導入する決定を下してしまいました。松井証券は毎月多くの銘柄を追加していますが、おそらく今後も高コストのアクティブファンドや毎月分配型投信の追加が続くでしょう。そしてターゲットは定年退職者の退職金です。

このような状況ではすくなくともインデックスファンドの動向に対して機敏な対応をとるということは期待できないでしょう。実際に新規のインデックスファンドについては消極的な姿勢を続けています。現状ではeMAXIS Slim新興国株式だけでなくiFreeも取り扱っていません。

松井証券も結局信託報酬による収入が大半を占めていると思いますので、より多くの手数料が得られる商品に重視するのは営利企業としては当然かもしれません。しかしそれは松井証券がなにも特徴のない普通の証券会社だと自ら証明しているようなものです。

あえて松井証券を選択する理由がない

そもそも毎月分配型投信を松井証券で購入する理由が乏しいです。メリットは購入手数料が無料の点くらいでしょうか?しかしそれは他社にもあります。

そして楽天証券やSBI証券に代表される大手ネット証券のほうがサービスが豊富です。SBIは保有している投信に対してポイントが付きます。それはインデックスファンドについても対象です。楽天証券では最近楽天ポイントで投信が購入できるサービスを開始しました。

また10万円以下の国内株式の売買手数料無料は松井証券のオリジナルサービスでしたが、最近SBIでも同じサービスが開始されました。

この状況で顧客はどちらの証券会社を選ぶのかは言うまでもないと思います。ただし唯一の松井証券オリジナルサービスである自動リバランス機能に対してどれだけ価値を見出せるのかでまた選択は変わりそうですが。

私松井証券のセミナーのアンケートでこのままではSBIや楽天に客とられますよと大きな字で書いておいたのですが、まじめに見てないのかもしれませんね。

初心を忘れている

松井証券が投信工房を立ち上げた経緯は以下の記事を見てもらえばわかると思います。(ただし全文は有料)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO20241810S7A820C1000000/

また松井証券の理念は以下のサイトから確認できます。

http://www.matsui.co.jp/company/governance/ethics/

基本原則1にはお客様の論理で考えるとなっております。セミナーに参加した投信ブロガーはみな低コストにこだわって投信を選択しています、この点については多くの人が同意すると思いますし、実際コストにこだわって購入されているかたも大勢いると思います。なぜなら手数料の支払いが確実に資産を目減りさせることは明らかだからです。

であれば低コストのインデックスファンドを後回しにして高コストのファンドばかりを優先する理由はなんなのでしょうか?私はお客様の論理を無視した行為だと思います。

たしかに資産の一部をアクティブファンドにする需要はありますし、インデックスファンドよりも好成績なアクティブファンドもあります。ですが、それはあくまでサブであってメインではない。長期にわたって高パフォーマンスを上げるアクティブファンドなんてごく一部なのですよ?

毎月分配型投信にしたって、分配金目当てであればETFを選択するほうが合理的です。むしろここに新たなビジネスチャンスがあるはずなのですが、なぜそれを無視するのでしょう。松井証券は現物株の取引で有名なのですから可能なのでは?

そしてなによりも資産の取り崩しという出口戦略を提案するのであればなぜ、自動投信解約サービスを導入しないのでしょうか?

もうつっこみどころ満載ですよ。ちょっとビジネス下手じゃね?